全てを知り、全てを見ている。多分。
すべてのきっかけをくれた先輩と語る、これまでとこれから。

室井雅也×海沼蒼太(会社員 / 喉仏第一部隊)

室井雅也を語る上で欠かせないのは、やはりこの人物だろう。
「シニカルでハイテンション、情熱的でクール」、彼の名前は「海沼蒼太」。その卓越したトークスキルを用いて「ノンフィクション・ゼミナール」の司会を初回から務め、室井の楽曲や歌詞、リリースの題名に至るまで影響を与えるほどの、膨大な知識と見聞を持ち、そして何より、多くのYouTuberや映像作家、音楽家など、多くの”クリエイター”たちに影響を与えた、岩手発の三人組動画投稿グループ「喉仏第一部隊」のメンバーの一人である。これだけすごいことをしていそうで、有名人でありそうな彼は、意外なまでに、上京して大学生の4年間を過ごし、今は会社員として朝から晩まで働き、土日には古着をバカほど買い、遠路はるばる訪れる彼女と博物館に行くような、愛すべき「一般人」なのだ。しかし、彼との出会いがなければ、室井雅也の音楽、いや、「室井雅也」というアーティストは生まれなかったかもしれないほどの、大きな存在であることも確かだ。対談シリーズ最後の記事は、室井雅也の全てのきっかけを生み、室井雅也の全てをみてきた海沼蒼太に、室井雅也の”これまで”と”これから”を語ってもらった。

編集・撮影 安藤勇作
文章 片山宇太郎

室井:
じゃあまず、「ノンフィクション・ゼミナール」とかでもしれっと海沼さんが司会になっているけど、やっぱり知らない人多いと思うんで。


海沼:
そうだね。


室井:
なぜ海沼さんなのか。


海沼:
なるほどね。


室井:
なぜ海沼さんと知り合ったかみたいなところから紐解いていかないと、この対談の大いなる意味みたいなものが浮き彫りにならないので、そっから話していきたいなと思います。
そもそもね、どうやって海沼さんと知り合ったかっていうところなんですけど。


海沼:
うん。


室井:
高校ですかね、中学三年生くらいのときに


海沼:
中学二年じゃない?室井は。二歳下でしょ?だって俺らYoutube始めたの2011年で。


室井:
そっか、二年生だ。東日本大震災があったのが中学三年生上がる前だから。


海沼:
そうそうそう。


室井:
で、海沼さんがその辺りでYoutube始められて。


海沼:
俺らが始めたの、2011年の12月29日だったから。
(正確には2011年12月28日)


室井:
もともと海沼さんがYoutubeで「喉仏第一部隊(*1)」というグループ名でその一員としてね。


海沼:
一斉を風靡してね。


室井:
ハハハハハハハ(笑)


海沼:
革命が起きたね。


室井:
革命が起きましたね。


海沼:
えげつない革命が起きたね。


室井:
Youtubeのナポレオン。


一同:
ハハハハハハハハハ


海沼:
ジャンヌダルクであり、ナポレオンであり。まあ女いないんですけど。


室井:
やかましくね?
まあ、その海沼さんの存在を僕が一方的に知っていて。最初にYoutubeで見て、なんか確信があったんですよ。


海沼:
あ、ほんと。


室井:
勝手な確信ですよ。「この人たちといずれ何かあるんじゃないか」っていう淡い確信があったんですよ。


海沼:
へぇ、凄いね。


室井:
いやもう全員に。海沼さんをはじめ、千葉さんも熊谷さんに。


海沼:
マジで?


室井:
と思って。今のYouTuberの人とかって、どちらかというとちょっと距離感があるというか。


海沼:
まあそうだよね。


室井:
昔は、もっと身近というか。リスナー側もYouTuber側も同一直線上にいるというか。だからこそ僕はYouTubeが好きで、だからこそ海沼さんはじめ、喉仏第一部隊や、他の人たちともいまだに親交があるんですけど。


海沼:
もう、今と母数が全然違うからさ。視聴者を把握できたんだよね。把握できるくらいの人数しかまだコミュニティがなかったんだよね、そもそもね。だから俺も室井って言われたら、Twitterの「カオスソルジャー」の時代から…


室井:
やめてくださいよ、初っ端からブチかますなよ。


海沼:
いやもう、室井っていうのは「カオスソルジャー」あっての室井だからね。


室井:
いやもともと「遊戯王」が好きだったけど


海沼:
新曲なんだっけ?「カオスズ」?


室井:
いや、バカ野郎。


一同:
ハハハハハハハハハ


室井:
ズって何?カオスの複数形って何?


海沼:
いやまあ、「カオスズ」ができた経緯ってのは…。


室井:
やめてもらっていいすか?


一同:
ハハハハハハハハハ


室井:
その同一線上にいたから繋がりやすかったってものあって、それでYoutubeの概要欄見たときに「あ、Twitterもやってんだ」って思って。


海沼:
そっか。


室井:
それで僕が一方的にラブコール送り続けてたら、認知してくれるようになって…っていうのが中学生の時。で、高校一年生の時に海沼さんが「キキフィルム(*2)」っていう映像のグループに入っていて、映画を作ったりしているっていうのを、一人のリスナーとして見ていて。あと僕も音楽が好きだし、喉仏第一部隊の千葉さんに半ば憧れみたいな気持ちを抱いていたりもして。



海沼:
音楽、すげえからな。


室井:
そうそうそう。で、「僕も一人で宅録やってみよう」って思って。そういうきっかけがあって、自分も一人で宅録(*3)とか始めたりして。それで高校二年生くらいの時にキキフィルムに合流してっていう感じかな。

(*1)喉仏第一部隊…岩手県出身の海沼大佐、熊谷中佐、千葉少佐による3人組の動画投稿グループ。2011年からYouTube上に動画投稿を始める。これまでに1080本の動画を投稿し、現在活躍する多くのYouTuberの中にもその名を知る人が多い。

(*2)キキフィルム…室井雅也、松本花奈が所属していた映像制作集団。現在活躍中のYouTuberなどがメンバーとして参画しており、Twitter/YouTubeを中心に活動。当時の中高生クリエイター達に大きな影響を与えた。

(*3)宅録…《「自宅録音」の略》演奏や歌唱などを、専用のスタジオを使用せず、自宅に機材を揃えて録音すること。

海沼:
この間も千葉大樹と話してたんだけど、「ちんゴルフ」っていう動画が一本目なんだよね。


室井:
どんな動画でしたっけ?


海沼:
あの、僕がガムテープを股間の上に置いて寝そべって、それに千葉大樹がペットボトルのキャップを入れるっていう。一種のバカッコイイ動画だよね。


室井:
軽音楽部の練習場みたいな所のね


海沼:
そうそう、練習場で一日中ずっとやってた、面白くて。


室井:
言ってしまえば、あの動画が出てなかったら僕は海沼さんのことを知らなかっただろうし。ち◯こから始まってね。


海沼:
そう。この間言ったのよ。「ちんゴルフ」がなかったら、多分室井とも会ってないし。下手したら室井もここまで音楽やってないだろうし。


室井:
あの輪っかにペットボトルのキャップが入ったっていうことから。


海沼:
そう、マジの「バタフライエフェクト」。「蝶のはためきが」っていう。


室井:
そう、そうやって始まって。


海沼:
大袈裟だけど、「喉仏第一部隊」っていうのもなかったね。


室井:
僕らとか、Youtubeで活躍してるアバンティーズとか、6面ステーションとかっていうのは、表に立って活動してるけどさ、「喉仏第一部隊」ってさ、今は「表に立つ人達」ではないじゃないですか。


海沼:
いやまあ、くすぶってるけどね。


室井:
いや、むしろ「裏主役」というか。裏主役としての立ち位置の担い方が半端じゃない、というか。この人たちがいなきゃっていう。


海沼:
カッコいいんだよね。なんていうか、フリーメイソン的な。世の中の革命者はすべてフリーメイソンだった的な。裏側で俺らが糸引いてたみたいな。まあ、大袈裟だけど、そうだね。ずっとそんな感じだね。


室井:
それが結果的にね。いま海沼さんが裏方として、テレビ制作の仕事をしているっていうのは繋がってるのかもしれないですね。


海沼:
結構稀なのかもしれないけど、「裏側も出る側もやれる人」が好きだったから。


室井:
だから、そこを感じてたのか、海沼さんは裏側の時でもとんでもない能力発揮するんだけど、表に立った時に爆発力が半端じゃないっていうか。その二面性があるから、『ノンフィクション・ゼミナール』とか出てもらって、やっぱり『海沼蒼太』という人間の凄みを世間に知ってほしい。日の目を浴びるべきだと思う。


海沼:
そういうことなんだよね。全部がやってきたことの全部が。


室井:
なんか僕ね、ドキュメンタリーとかメイキングとか好きなんですけど、裏方の人が話してるのとか凄い好きなんですよ


海沼:
わかる。


室井:
だから情熱大陸とかも、表に出てる俳優さんの回ってあんまり当たり回ではなくて、「町工場のろくろ回し」とかの方が燃えるんだよね。


海沼:
その方が面白いんだよね、意外と。

室井:
なんか色々聞いてほしい。


海沼:
俺が何聞けばいいのかわからない。


室井:
そもそも「室井ってなんだよ」とか。


海沼:
なるほどね。


室井:
今回のアルバムは、僕の音楽としての総まとめであるけど、やっぱり関わってきた人たちの歴史でもあるから、そこを紐解いていきたい。やっぱり千葉さんと作った『ヒロインは君で』や『A GIRL BY SEASIDE』に行き着くまでの話をするために、「千葉さんに出会う話」をするためには、まず「海沼さんに出会う話」をしなきゃいけない。


海沼:
なるほどね。


室井:
だから聞きたいんです。「なんでYoutubeを始めたのか」、なんでっていう理由もないのかもしれないですが。


海沼:
ちょうど2011年の3月11日に地震があって、俺らが高校受験の結果を待ってる時だったのね。


室井:
そうなんだ


海沼:
で、結局みんな受かったの。そしたら凄いのが、俺は三ヶ月くらい塾に行っててその三ヶ月だけ行ってた塾で他の学校の同級生のやつが、急に俺に仲良く話しかけてくれて、そいつと意気投合して色々喋ってたら4、5日くらいで俺の人となりを把握して「お前に合うやつがいる。」って言われたの。それが「熊谷大樹」で。


室井:
喉仏第一部隊の熊谷中佐。


海沼:
そう、それが大樹で。「名前が熊谷大樹っていって」って写真見せられたらめちゃめちゃ千葉大樹に似てて


一同:
ハハハハハハハ


海沼:
二人とも顔濃いし、顔も似てて爆笑だったのね。「そいつも同じ高校受けるから、合格したら遊んであげて」って言われて。それで入学してさ、席に着いたら斜め前の席に熊谷大樹がいたの。


室井:
同じクラスで?


海沼:
そう。そこで「大樹くんだよね?」って話しかけて、そこから全てが始まったっていったらあれだけど。それで千葉大樹は超頭良かったから受かってて。それでまだ学校始まって二日目くらいよ、身体測定の時に熊谷大樹と、「バナナマンのオークラ(*1)の話」をしたの。


一同:
ハハハハハハハハハ


海沼:
「バナナムーン(*2)聴いてる?」って話をして、そしたら大樹が「聴いてる。バナナマンめっちゃ好きなんだよ。」って言って。それで「オークラが〜」っていう話をして。オークラの話を高校入学して二日でするって、もうなんかルートとして出来上がってるというか。室井もだけど、「こいつとは一生ずっと仲良くいるんだろうな」っていう。それで熊谷大樹とは仲良くなって。千葉大樹は他のクラスで、それで三人とも全員軽音部だったのよ。そしたら熊谷大樹と千葉大樹は、言わずもがな仲良くなって。それがちょうど12月くらいで。



室井:
その頃俺何してたんだろう。高一ですよね?


海沼:
うん。


室井:
俺海沼さんと二つ年離れてるから、中二か。僕はその頃、受験シーズンに入って。陸上部の短距離で部長をやってたんですよ。で、部活が夏頃には終わるじゃないですか、受験があるから。それで引退して。けど、どうせ受験は受かると思ってたんですよ。それで「暇になっちゃったな」と思ってて。で、その頃すごい高橋優とか好きだったから、「そういえば親父がアコースティクギター持ってたな」と思って、ギターでも初めてみるかと思ったのが、その頃の僕。


海沼:
なるほどね。


室井:
で、高校に入ったら僕はいつかバンドが組めるんじゃないかと思って。「よっしゃ!俺も高校に入ったら軽音部に入るぞ!バンドを組めるぞ!」という気持ちがあって、今のうちにギター上手くなっておこう、という気持ちで曲を作り始めた頃で、『koi koi koi』が出来て。で、いざ高校に入ってみると、軽音部がなかったんですよ。


海沼:
そうだよね、室井の高校は軽音部がないんだよね。


室井:
田舎過ぎて、いわゆる「バンド」っていうカルチャーが浸透してなかったんですよ。


海沼:
なかなかレアだと思うけどね。


室井:
それですごい落ち込んで。でも諦めきれなかったです、僕は。それで、それこそ海沼さんと熊谷さんの話じゃないですけど、「室井と絶対に話が合う奴がいるぞ」って中学の他校で塾が一緒だったやつに言われて、そいつが小林(*)なんですよ。



海沼:
なるほどね。


室井:
高校入る前にFacebookで繋がって。そいつ、凄いバンドが好きで。


海沼:
やっぱザッカーバーグ(Facebook社CEO)すごいな。全盛期の頃だもんね。


室井:
ザッカーバーグから始まったんですよね。


海沼:
ソーシャルネットワークの時代にね。


室井:
赤穂ネットワークね。


海沼:
『ソーシャルネットワーク』最初2分遅れて劇場入って観に行ってさ、そしたら何もわかんなくて「ミスった!!」と思った。


室井:
すげえ面白いけどね。


海沼:
面白い。


室井:
それで小林がいたから、高校に入った頃に「どうにかして軽音部を作ろう」みたいな話になって、生徒手帳を見たら「100人の署名と顧問の先生1人がいれば作れる」って書いてあって「よっしゃ、これだ!」と思って。4月、5月くらいかな。林間学校の行きのバスで、全然知らない中学から来た人もたくさんいるんだけど、「すいません、僕ら軽音部を作ろうと思っていて....。」っていう話を、逐一説明しながら署名をルーズリーフに書いてもらって、そしたら行き帰りのバスで結構集まって。その後も休み時間とかで結構集めたりして、ついに集めたんですよ、100人。顧問を担任の先生にお願いしたら「いいよ。」って言ってくれて。それで職員室に、小林と小林の友達と、俺の小学校の時からの「福沢」っていう友達がいて、その4人で「これでお願いします!」って言ったら「ダメです。」って言われて。教育指導みたいな先生に。


海沼:
今、出来たな。 「俺がもしも室井の映画を撮るとしたら」。
その何がいいって、「林間学校行く途中のバス」って昔のスクールカーストが一番目に見える縮図だと思うんだよね。一番後ろをイケイケの奴らが陣取って、そのちょっと前に取り巻きの女みたいのがいて、病気がちな子は前の席で先生の隣で、っていう。


室井:
ちなみに僕らは「バスの一番後ろから真ん中よりちょっと後ろ」くらいにいて。一番後ろにめっちゃ可愛いマドンナみたいな可愛い女がいて、その人に「すいません...。」って言いに行って、その署名にかこつけて話したりとか。


海沼:
いいな。そんな中をさ、縦横無尽に歩き回ってみんなとコミュニケーション取って、署名を集めたのに駄目だったんですよっていう。絶対的に勝てない「何か」みたいな、それに痛いほど痛感する瞬間みたいな。


室井:
そうですよ。僕は中3の夏から計画してたんですよ。なのにダメだったから。でも「まあ文化祭なら出ていいよ。」って言われて、「分かりました!」って言って、俺らも純粋だったから。「じゃあ文化祭頑張ろうぜ!文化祭でバンドでみんなを一泡吹かせてやろうぜ!よっしゃ!」ってなって。それでベースの「村中」のお父さんの友達が、すげえでっかい倉庫みたいなのを持ってて、そこを借りて練習場に使っていいよって言われて。それから放課後に練習して「村中」の家とかに楽器とかアンプとか全部置いといて、帰りにチャリでみんなで倉庫に直行して練習して。ちなみに「村中」は「ボガンボス(*3)」が一番好きっていう。


一同:
ハハハハハハハ


室井:
ボガンボスを超崇拝してるやつで。


海沼:
癖が強いなあ。


室井:
小林は奥田民生が一番好きで。あとその当時あんまり有名じゃなかったけど、星野源とか。俺はいわゆるandymoriとかASIAN KUNG-FU GENERATIONが好きで。それで最初はアジカンとか練習して。DOESとか。


海沼:
DOES絶対やるよね。みんなDOESとスキャンダルしかやんないもん。


室井:
わかる。DOESとMONGOL 800しかやらないもん。その倉庫がね、線路沿いにあって。あんまり音だしちゃいけないんですよ、田舎とかって静かだから、めっちゃ響くんですよ。だから電車通ってくる瞬間だけ爆音出して、「キタキタキタキタ!」って。


海沼:
電車も東京みたいに何分に一本とかじゃないもんね。


室井:
「今だ!」って言ってやるんだけど、田舎だから電車めっちゃ短くてイントロで終わるっていう。


一同:
ハハハハハハハハハ


室井:
高校の文化祭が夏だったので、「よっしゃ!それだ!」ってなったんだけど、「アンプは駄目。」って言われて。バンドって言ってんのにアンプ駄目ってなんだよ。サッカー部のクソ顧問が言い出して。これはもう高校でバンドとかできないなと思って、それでコピーバンドとして練習するようになって。だから結果的にそのバンドも、他の町で一回ライブハウスとかに行ったりしたんですけど、受験シーズンに入っちゃって自然消滅。


海沼:
じゃあ全然ライブとかやってないのか。


室井:
一回しかできなかったです。コピーバンドでライブは出来なかったので。僕は一番バンドが好きなんだけど、「バンドができなかった」っていうカウンターアクションでインターネットに繋がったんですよ。一人で今もシンガーソングライターでやっているっていうのは、多分でバンドができなかったっていう反動が。


海沼:
だからさ、俺らはないのよ。俺たちにはそういうのが一切。


室井:
海沼さんて盛岡じゃないですか。


海沼:
盛岡って結構バンドはしっかりしてんのよ、土壌が。ライブハウスが三つあって、入学して軽音楽部に入ったと同時にすぐライブハウスからお誘いが来るんだよ。「すみません、出てみませんか?」って。それがもう一年生の夏にはみんな経験してんの。


室井:
バンド英才教育じゃないですか。


海沼:
そうそう。そういうのに困ったことがないし、自分たちで企画して好きな同期とか先輩とか含めて高校生のバンド呼んでライブしてとか全然できるの。「チケット捌いたら全然いいよ」って。それでやってくれるから、俺らはそれで一切困ったことがないし、動画を撮るっていうときも、学校は全然気にしてなくて俺らバリバリ制服も校章とかも付けてたから、やばいはずなんだけど。


室井:
あの頃のYouTubeって、「制服映ってたら先生から指導受ける」とか当たり前だったんですけどね。


海沼:
俺らはもう教室で撮ってても何も言われないし、むしろ先生が「お前らなんか動画をあげてるらしいな」って言ってきて、やべえバレたと思ったら「うちの娘が見てんだよ、もっとやれ。」って言われて。


室井:
何だそれ(笑)


海沼:
だから高校時代もだけど困ったことがないんだよね。だから変な話、ずっとオフビートなんだよね。「これができなかったから、これやってやる」っていう気持ちが一回も生まれたことがないんだよね。


室井:
だからそういう意味でも僕は「オンビート」かもしれないです。


海沼:
そうだよね、スイッチが入ってるよね。


室井:
そういうのがあったから東京に行きたいと思ったし、「バンドができなかった」っていう反動で、一人でインターネットにいってやるようになったし。めっちゃオンビートだからさ、どちらかというと。だからこそずっと「オフビート」でいれる海沼さん達が、物凄い輝いて見えたんですよ、羨ましくて。


海沼:
そうか。


室井:
だからこそ魅力をより感じたというか。


海沼:
かもしれないね、いいように言ってるけど。そもそも考えたことがなかったね。


室井:
あー、なるほどね。


海沼:
俺って高校生まで、すごいのらりくらり生きてたから全然考えなかったね。難しいことを考えずに生きてこれたくらい、全部に苦労がなかった。だから未だに大きい挫折とかも全然なくて。だからそういうのを室井とか見てると「違うな」っていう。すごい感じる雑草魂というか。


室井:
いや、雑草ですよ。 ほんとはそっちがいいんだけどね。


海沼:
ほんと?


室井:
できれば僕だってさ、東京とか神奈川とかいわゆる東京近郊とかに住んだりして、バンドめっちゃやってみたかったですよ。高校二年の時に、インターネットでできた友達がバンドの大会に出るって言って、それで「ファイナルに残ったから、TSUTAYA O-Eastでライブをするから見に来て。」って言われて、高校生のバンド大会の決勝を見に行った時に、「同い年なのにこんなにバンドが自由に出来てる人がいる」と言うのを目の当たりにして、めっちゃカルチャーショックみたいな。


海沼:
だからたぶんそれが臨界点というか、俺たちの時代の高校時代は多分一番の境目で。「みんなが見る」っていうのは、例えばライブ会場のような、「『設けられた場所』で何かをする」っていうのが一番最適解なことだと思っていたんだけど、多分俺たちよりもちょっと下の人たちにとっては、今はそれこそYouTubeがあるから、YouTubeでやった方が絶対に多くの人が見てくれるんだよね。


室井:
だからギリギリなんだろうね。


海沼:
俺たちは境目なんだろうね、どっちも知ってるし。


室井:
今の時代でインターネットにいくとか別にナチュラルだけど、その当時「現実への重き」みたいなのがあったから。


海沼:
まだ「アバターと自分が別人格」っていう時代だったからね。


室井:
そうだね、確かにね。


海沼:
だからさ、室井もカオスソルジャーやっちゃうんだよ。


室井:
それは違うぞ、恥ずかしい。やめてくれ。


海沼:
だから室井のアイコンは「カオスソルジャー」なんだよ。


一同:
ハハハハハハハハハ


室井:
僕ね、二十歳の時に一日だけカオスソルジャーのアイコンにしたんですよ。


海沼:
名前も「カオスソルジャー室井」になってて。カオスソルジャー室井が「リュック買いました。」みたいなツイートしててバカ面白くて。「カオスソルジャー室井、リュック買ってんじゃん」っていう。ガチの平坦なTwitterの使い方みたいなすげー面白かった。


室井:
二十歳の誕生日ね、やばかったですね。

室井がカオスソルジャーアイコンを復活させた際のツイート。(2017年5月11日)

海沼:
そういう違いがあるね。地域によってもあるし。すごい気になるのは、室井は家族とどういう感じなのか、っていうのは気になってて。家族とどうですか?


室井:
面談みたいになってんじゃん。うちの父親は車の整備士をやってて、母親はピアノの先生で、家でずっとピアノを教えたりしてて。それでお兄ちゃん子でしたね、同級生と遊ばない子でした。小学校とか中学校とか同級生と遊んだ記憶があんまりなくて。「お兄ちゃんと遊ぶ人と遊ぶ」って感じで、お兄ちゃんの遊びにずっとついていくみたいな。本当にお兄ちゃんに申し訳ないなって今思いますけど、その友達とかも凄い寛容で。どんな感じだろ、でもめっちゃ仲良いです。東京に住んでてもたまに母親にも連絡しますし。


海沼:
家族に何かあるっていう気がすんのよ。家族のそういう体質とか、少なからず子供に影響すると思うから、家族ってどうなのかなっていう。


室井:
反骨精神があるみたいな。


海沼:
そう。


室井:
僕だけちょっとおかしい感じがしますけどね。だって、兄は小学校の先生ですもん。僕の人間性とか、一人だけこんなに反骨精神で。だからこそなのかもしれないですけど、あまりにも幸せすぎる家庭だからこそ、抜け出してみたいなのがあったかもしれない。


海沼:
なるほどね。ものすごくあったかくていい家庭で育ててくれたからこそ、一人でやってみたい、独り立ちしたい、挑戦してみたいっていう。ドラマとかでずっと習い事三昧な娘が、いきなり反抗をするみたいな。


室井:
なるほどな。


海沼:
今さ、Twitterとか言いたいこと言えるじゃん。


室井:
はい。


海沼:
「家がこうだったから自分がこうなった」みたいなツイートとかすごい多いじゃん。俺はそれは大いに結構だし、実際に親とその遺伝子ってかなり影響すると思うんだけど、でもそれに対しても別に選択肢がないわけではなくて、「親がこうだったから」っていうのは遺伝子的には絶対あるかもしれないけど、そこからそれをどうやって使うか、どうやって甘えるかっていうのは、僕たちに与えられた使命だと思うんだよね。
だからそれで親がクソっていうのは、ないんじゃないかなっていうのをすごい思うんだよね。家庭環境がどうのとかも、それに甘んじるんであればそれでいいけどけど、けど「こういう選択肢だってあるのにな」っていう。最近それがすごい気になってて。それで室井は「どうしてこうなったのか」っていうので、家族の関係性だとか、親がどうだったとかいうのがすごい気になって。


室井:
うんうん。


海沼:
俺はめちゃくちゃ愛されて育って、何一つして苦労したことないし、物をねだったことがないの。小っちゃい頃から一回も物を欲しいって言ったことが一回もなくて。っていうのも俺が多分欲しいと思ったものはずっと家にあったんだよね。っていうくらいの寵愛のされ方をされて、だからこういう今なのかって考えた時に、「俺はどういう選択肢を取ってこういう風になってるのかな」っていうのは自分でもすごい考えてて、それでちょっと室井に聞いてみた。


室井:
どんな感じだと思います、逆に?どんなふうに思ってました?


海沼:
でも、お兄ちゃん子だろうなって分かってたし、ザ・中流っていう幸せがあって、その幸福感から抜け出すって言ったらあれだけど、前に出るって難しいことだから。


室井:
環境も環境ですからね。


海沼:
田舎だから全然満足しちゃうでしょ。


室井:
でもずっと不満足みたいな気持ちだったんですよね、ずっと。満たされてるんだけど満たされないみたいな。


海沼:
それが室井の高校でバンドができないところにも繋がってきて、室井がそういう性格じゃなかったら、バンドができないってなった時にもう諦めるでしょ。「仕方ねぇな」って諦める人生もあるわけじゃん。だからすげえ気になったんだよね。っていうだけなんだけど。


室井:
なるほどね。


海沼:
いいじゃん。家族に愛されるって大事だよ。家帰って飯食うと幸せだもんね。


室井:
親がイケイケっていうわけでもないし。だけども唯一、音楽をめっちゃナチュラルに始められる環境があったっていうのは。


海沼:
そうだね、それは大きいよね。


室井:
父親もそうだし、母親がピアノを小学校で教えてたりとか、ピアノ教室で働いてたりとかずっと当たり前だったから、ずっと音楽を子宮から聞いてたっていういうのはあったかもしれないですね。だから僕が「音楽をやる」というところに関しては、違和感はなかったんじゃないかなって思います。普通の子だったらギター始めるとかって「音楽やんのかよ。」みたいな。


海沼:
反対されるよね。一大事というか。


室井:
そう、一大事だからさ。だから色っぽい目で見られる可能性あるけど、僕はそんなことなかったから。


海沼:
だから結構さ、千葉大樹に似てるじゃん。境遇が。


室井:
そうですね、めっちゃ似てますね。


海沼:
お母さんがピアノの先生で。あいつに反骨心みたいの見えたこともないじゃん。


室井:
僕に反骨心がなかったら千葉さんになるっていう。


海沼:
そう、そこにそういう分岐があるから、ここの違いってなんなんだろうなって思ったんだけど。


室井:
オンビートなのかオフビートなのかっていう違いなんだろうね。


海沼:
バンドが出来ないところで「別にいいや」って捉えるかってところで。元を辿ったらオンビートかオフビートかみたいなところだね。


室井:
だからなんでそのスイッチがオンになったかって言われると、やっぱり僕は「インターネット」の存在があったからこそ、オフビートの人たちを見て、僕もそうなりたい、「オフ」になりたいから「オン」にするみたいな。


海沼:
ということなんだね。


室井:
「インターネットにはこんな人たちがいるんだ」、「この人達と繋がったらこうなるんだ」とか、「こういう景色が見えた」っていうのがあったから、より反骨心みたいな、カウンターアクションが。


海沼:
ここでもう違うのが、そういう目で俺はYouTubeを見たことがない。「こういう人がいるんだ」っていう感じで見たことがなくて、それが面白いよね。同じ場所(インターネット)で出会ってるはずなのに、使い方が違うっていうのがすごい不思議だよね。それがこうやって今は友達っていうのは。俺は本当にずっと楽しいものというか、自分が知りたいものを知る、「インターネットの一つの手段としての”YouTube”」としか見てないから、俺は。


室井:
「見られたい」んですよね、僕ね。田舎の周り田んぼしかない所だったら誰も見てくれないし。


海沼:
そうだよね。


室井:
どうしたらいいんだろうってずっと考えてて、今もどうやったらもっと人に見られるんだろうとか気持ちが湧くのは多分そこで培われたもので。


海沼:
内に秘めたる「インフルエンサー成分」みたいなみたいのがね、室井にはあるじゃん。俺にはないからさ。やっぱり「インフルエンサーになりたいな」と思ったりもするけど、結局たどり着くのは「俺が好きだったらいいや」っていう感覚なんだよね。本当に好きなモノは全然見せないみたいな、他人に言うこともはばかるみたいな気持ちなんだよね。


室井:
今でこそ映画とか音楽とか、YouTubeの動画とか、「好きだから」見るようになりましたけど、当時は「この人たちになりたいからめっちゃ知る」みたいな、順序逆だったんですよね。


海沼:
面白いね、そう考えると。インターネットの使い方が全然違うっていう。


室井:
インターネットに合流するまでの道のりがね。


海沼:
全くの別物で面白いね。


室井:
逆方向からだったみたいな。 

(*1)オークラ…放送作家。様々なバラエティ番組、ドラマなどを手がける。バナナマンと兼ねてからの交友があり、「3人目のバナナマン」と言われるほど。

(*2)バナナムーン…正式番組名は『金曜JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD』。2010年4月9日深夜(10日未明)より放送されている、TBSラジオ制作のラジオ番組。

(*3)ボガンボス…BO GUMBOS(ボ・ガンボス)は日本のロックバンド。1987年結成。1989年、Epic/Sony Recordsよりメジャーデビュー。1995年解散。

室井:
『hen』は聴いてもらえましたか?あ、イベント(*1)やりましたからね。


海沼:
イベントね、やりましたね。今僕が一番言いたいのはこのページのね、これが街に見えるっていう。(『hen』ブックレットを見ながら。)


室井:ハハハハハ


海沼:
この絶妙なね。いや、あると思うんだよね。不可解なリンクみたいなのがあるじゃん。ずっと思ったらこれになってたみたいな、引き寄せ的な。「こんなことを考えてたら、本当にこんなになっちゃったみたいな。」っていう作品かなって僕は思いましたね。


室井:
『hen』。


海沼:
『hen』。なんていうか、「「強い力」があればその強い力の元に、自分が見えてなかったところから、似たようなものが飛んで来る」みたいな、っていったらすごい抽象的だけど。持っている人とか良い作品って、絶対そういった側面があると思うんだよね。その不可解な自分の力だけではどうすることもできない、「見えてないところ」から急につながってくるみたいな。何て言えばいいのかな。


室井:
今回はファーストアルバム『hen』、もう三枚目になるんですけど、初のアルバムにして全国リリースできるようになって。これはもう個人的に思いが乗っかりすぎてるだけだと思うんですけど、僕が初めて東京に行って、音楽を作ったそのまとめでもあるんだけど、やっぱりインターネットで出会った人たち、そして現場で出会った人達との「一つの区切り」みたいなものになったかなと思っていて。2017年の1月に出した1枚目の『ヒロインは君で』『A GIRL BY SEASIDE』のシングル、夏に出した『トーキー』、そして今回の新曲なんですけど、映像とかミュージックビデオとか含めて、僕がインターネットで出会った人達の総まとめみたいな。


海沼:
なるほどね。


室井:
それこそ「喉仏第一部隊」のメンバーである千葉さん。


海沼:
そうだよね。前半5曲、全部バチバチに関わってるもんね。


室井:
『ヒロインは君で』『A GIRL BY SEASIDE』『トーキー』『TRANSPARENT GIRL』『Parallel Night』に関しては、もう全部千葉さんと二人三脚で作ってきたと言っても過言ではない。あの人がいなかったらできなかったし、形にならなかった。


海沼:
あいつがいない中で、というか関わってない中で作ったこの3曲は、どういうバイブスで作ったのかなっていう?ていうのが一つあるね。あと、すごい遡れば室井ってもっと曲あるでしょ。なんでこの三曲なのかっていう。


室井:
確かにね。


海沼:
何かあったの?


室井:
単純にこの五曲をどう終わらせるか。この五曲があって、どうアルバムを終わらせればいいかなって考えた時に、僕、アルバムとかで最後ちょっとシリアスになって終わる、「次の始まりみたいな余韻」を残すような、「次」を想起させるようなアルバムだったりが好きなんですけど、この『渚にて』から少しガラッと雰囲気が変わって。


海沼:
そうだね、かなり。



室井:
全体的に骨太な作品になればいいなと言うのはあったのと…なんていうのかな、時系列でやりたい。アルバムを通して春夏秋冬を感じられるというか。『ヒロインは君で』が春で、『A GIRL BY SEASIDE』から『TRANSPARENT GIRL』までが夏で、『渚にて』で夏が終わって、秋になって『季節のグルーヴ』で季節変わって『カナシズ』で冬になる。


海沼:
なるほどね。


室井:
あと時間軸として、『ヒロインは君で』が昼で、『A GIRL BY SEASIDE』で夕方で、『Parallel Night』で夜になって、『トーキー』で 夜から朝になって、『TRANSPARENT GIRL』で昼になって、『渚にて』で昼下がり、『虚舟』で夕方になって、『季節のグルーヴ』でまた日が変わって、みたいな。「流れ」として一番当てはまる曲を選んだというか。

他の曲も考えてみたんですけど、この三曲が一番しっくりきたし、やっぱり「インターネットとリアルの真ん中を行く」ってことを掲げてる以上、どうしても5曲の”千葉さん一緒にやってきた”っていう「インターネット感」が強いから、どう「現場」を見せていけばいいかなっていうのはあって。

そうした時に、バンドも組めるようになって、その人たちとよくやってた曲を入れたいっていう気持ちがあって。かつ、僕の中で一番しっくりくる曲を選んだ方がいいんじゃないかなということで『虚舟』『季節のグルーヴ』『カナシズ』を選びました。

海沼:
なるほどね。さっき室井が言ったけど、まあ「流れがある」曲が多いっていう。それが俺の言いたいことなんだけど。そんなに意図してないと思うんだけど、一曲一曲のテーマが全部「流れ」があるものばかりで。それがさらにアルバムを作るとなったら、テーマとして「一日の流れ」みたいのがあって…そういうのが付随して、作品の雰囲気が意図せずに統一されているというのがすごい面白いって感じて。


室井:
自分では気づかなかったですね。言われて今ハッとしました。


海沼:
1日だったり、夜から朝になるっていうことだったり、歌詞の流れとか、『TRANSPARENT GIRL』だと川から水の流れのところとか、季節の移ろいとかっていう、「流れ」が、意図せずともイメージされていて、それでアルバムを作るとなった時に、流れを持ってる曲が寄ってきた。なんで俺が最初にそれを質問したかっていうと、アルバムを聞いててそれを感じて、それが「作為的だったのか」っていうのを聞きたかったから。あと、後半の三曲に関しては、「千葉大樹がいない」っていうのもひとつの”流れ”じゃない。

で、あくまで今は、このアルバム「一つの区切り」だと思うんだけど、橋をかける時って、向こうに「掛ける先」がないとダメじゃん。そう言う意味で、このアルバムは次のCDが出た時の「(今と未来の)橋渡しの一枚」として、最適なアルバムになってるのかなと思ってて。「流れを描いてる」って事は、絶対「次もある」っていう確信もあるし。次が出た時の「橋渡し」的な役割として、このアルバムが活きてくるのかなっていうのを思って。


室井:
なるほど。


海沼:
それが面白いなって思った。だからアルバムのタイトルも『hen』でバッチリだと思うし、「流れて変わっていく様」っていうのが分かりやすいって思ったね。で、さらに言うと、これを作っている段階に、まだ室井が気づいてない「次に出来上がる作品のヒント」はもういっぱいあると思うんだよね。自分たちが好きなバンドとかの曲をさ、一番新しいものを聞いて「いいな。」と思ったところから逆流して考えて最初に立ち返っていくとさ、ファーストアルバム、セカンドアルバムって出てきた中で、ファースト聞いてていいなと思ったところが、セカンドでも活かされてるっていうか。意図せずそういうのはあるなっていう。実はそれって、ファーストの段階から自分たちの周辺に限りなく引き寄せられてて、それが活かされてくっていうケースって結構あると思うんだよね。それはリアルタイムではわかんなくて、自分たちが遡った時に分かるということで、室井も今は具現化できないものが、次作る時にふと言語ができるようになっていたり、音として現れたりしてるんじゃないかなっていうのを感じた。


室井:
やっぱりそういう「流れ」っていうのを僕もテーマとして持っていたんだけど、人もそうだし時間もそうだし、自然の森羅万象の流れみたいなものを無意識のうちに意識してる感じはあるんだなって思いました。


海沼:
室井が何でこういう曲を書けるのか、こういうテーマになるのかっていうと、多分俺達がYouTubeを始めたのと同時に音楽を始めて、バンドが組めないってなって挫折して、でも挫折してピリオドが打たれるはずが、室井の「オンビート」の力によって全部をつなげてきたから、流れてここまで来たわけじゃん。それが変な話、千葉大樹というか俺らだったらもう諦めてたかもしれない、「絶ってたかもしれない道」っていうのを、これはちゃんと通ってるなっていう。そこに室井の人間性や育ってきた環境だとかそういう流れがちゃんと入ってるんじゃないかっていうのを感じたね。


室井:
僕、そうだったんですね。(海沼さん、)カウンセラーみたいだな。


一同:
ハハハハハハハハ


海沼:
これヤバいかな?


(マネージャー安藤:いや大丈夫です。素敵です。)


室井:
僕も確かに最初の『ヒロインは君で』で言ってるけど、「圧倒的なベストアルバムばっか聴いてもつまらないだろう?」っていうのは、あそこでヒットした、これでヒットしたあの曲の寄せ集めって確かにいいんだけど、でも僕が好きなのはオリジナルアルバムというかコンセプトアルバムみたいな、ちゃんと「流れを汲んだもの」がすごい好きだから。そういう意味で『ヒロインは君で』を一番最初に持ってきたっていうのは正解だったなっていう。最初に意思表示をするというか。


海沼:
あとは、ここから先がまた面白いのが、こうやって作品として残ってかつ、世の中に出回って聴いてもらうというのがあって、一つ目の分岐として考えられるのが、「めちゃめちゃ褒められる/売れる」っていうのと、「めちゃめちゃ評価されない/売れない」っていうことだと思う。

でもそこで「売れた」っていう分岐に転がった先に何かがあるかもしれないし、「売れなかった」っていう分岐に転がった先にも、何かあるかもしれないし。室井が売れなかった時に「辞める」って言う選択もあるかもしれないし、それでも「続けていく」っていう選択肢もあるかもしれないし。もう考えられるだけで4パターンくらい分岐があって、その様々な分岐によって、今日まで手繰り寄せてきたもののによる、自分のセンサーの方向が変わるから、このアルバムから生まれる「4つの分岐」でまた全然違う要素として組み込まれると思う。

願わくば俺は全パターン見てみたいっていう。


一同:
アハハハハハハハハ


海沼:
まあでも、そうはいかないし、その失われた物ってまたどっかで出会うかもしれないから、次の室井を楽しみにする。この先の室井がどういう選択肢を取るのか、っていうのはすごい面白い。


室井:
確かに、「あの時ああすればよかった、あの時こうすればよかった」って思って落ち込んだり、「こうしてたら、今こうだったんじゃないかみたいな」、いわゆる if の世界線みたいなものを考えるけど、できなかったとか失敗したってこともちゃんと今に行き届いている感じがするし、繋がってる感じもあるし、きっと「今」がいつかの伏線になってるっていう風に「現在(いま)は未来(あした)の伏線だ」って『トーキー』という歌でも歌ってるし、『カナシズ』でも、「報われなかった、けど報われなかったこともちゃんと運命にしていきたい」という気持ちがどっかであるだろうと思います。どちらに転んでもエフェクト。


海沼:
っていうことなんだと思うよ。なんでも人生はそうだからね。


室井:
最近すごい感じるんですよね。


海沼:
死んだ時の走馬灯が、唯一の正しい自分の人生の見方っていう。走馬灯って言ったら最後のドキュメンタリーなわけじゃん。自分の歩んできた道なわけじゃん。けど、生きてるって色んな分岐があって、その分岐とか伏線とか、「失われていったもの/得たもの」が次に繋がってくるていうのは、一番俺がすごい気になる。ちょっと俺が穿ってるからこう言うけど、「最高傑作です。」って言わないでほしい。


室井:
僕は今回いろんな曲を取って、あえて時系列順にしたのはそれで、1枚目の『ヒロインは君で』『A GIRL BY SEASIDE』、確かにいい曲だけど技術的なところで悔しかったことだとか、『トーキー』の時とかでもだんだんちょっとずついろんな所でアップデートされてくるっていうのを見せたかったっていうがあって。今回千葉さんにお願いしなかったっていうのは自分でどこまで行けるのか、アップデートされてるものを見せたかった。


海沼:
室井にはそうだね、一生セルフタイトルのアルバムをつけないで欲しいね。


室井:
俺の墓だけですね、セルフタイトルは。


マネージャー安藤:
レーベルに言われたらどうしますか?


海沼:
ブッ殺す。


室井:
辞める。

(*1)イベント…室井雅也が2018年春に行ったクラウドファンディングの支援者限定イベントとして行われた、『hen先行試聴会』。

室井:
いつか海沼さんと曲作りたいな。


海沼:
俺もちょっとね、松本隆になりたいのよ、詩を書きたい。俺、昨日作ったもん。


室井:
俺も、めちゃくちゃいい曲が最近できたから。これは次の『ヒロインは君で』になるっていう。まあ、いつか一緒にできたらいいですね。


海沼:
よろしくお願いします。これから先、どういう曲を書きたいかってのはあるの。


室井:
『hen』の新曲がかなりダウナーというか、シリアスめな3曲になってると思うので、次は僕はノリノリの曲を書きたいです。


海沼:
子供みたいに言うじゃん。


室井:
めっちゃノリノリの曲を作りたいんです。


海沼:
いいね。


室井:
めっちゃポップなんだけどよくよく見るとハッとするみたいな曲を書いてみたいし、新しい形態とかもやってみたい。バンドとかだといろんな曲作れるしそれでもいいと思うんですけど、一人の方が柔軟にできるみたいな。


海沼:
それはあるね。


室井:
一人だからこそいろんな人とやったりとか、いろんな曲を作ったりして。なんか「自分探し」したいですね。次の次の次の次くらいに室井雅也ってこういう音楽なんだ。っていうのははっきり見えてくる気がしていて、今はもっとちゃんと自分探しをしたいというか。


海沼:
いいじゃん。


室井:
なんかでも本当ね、「この人はこういうやつ」とか「このバンドはこういう音楽」とかっていうのが決められたら絶対分かりやすいと思うし、聞きやすいと思う。だけど、ジャンルを超えたいとかではないんですけど、僕は単純に好きなことをやりたい。色んな曲を作ってみたりしたい。けど「僕が伝えたいもの」は統一しておきたい。中身を開けてみるとちゃんと「室井雅也」がいるけど、それをいろんなアウトプットの仕方っていうのがあってもいいんじゃないかなと思ってます。


海沼:
それはそうだね。これは俺の持論なんだけど、「みんなが良いって言っている頃には、自分の中ではもうブームは終わってて欲しい」ってのはあるんだよね。


海沼:
「こういうところが好きです。」「室井くんのこういうところが好きです。」っていう人に、室井本人は「まだそこなの?」ていうところにいて欲しいんだよね。常に周回差付いてるくらいの。


室井:
けどぶっちゃけ、アーティストとか曲を作ってる人とかにとっては、曲を出した頃にはその曲は過去のものなので、もう興味がないんですよね。


海沼:
これは室井の今後ってことでもないけど、みんなにも「未来から風が吹いてる」と思って、「未来から逆行して歩いてる」と思って聞いてほしい。


室井:
なるほどね。


海沼:
歴史とかってさ、過去から流れてるものだと思うじゃん。過去から今日までがあるっていうことだと思うじゃん。だけどそうでもないんだよね。すごいSFチックな話なんだけど、未来から吹いてる風を向かい風として受けてるっていう、その未来から流れてきた風が自分を経て「過去」になっていくっていう。自分が歩いてるんじゃなくて、自分を軸として未来が風が吹いて、それが過去として蓄積されて歴史が出来上がっていくっていう。っていうことになってほしいんだよね。


室井:
日本史もじゃあ。


海沼:
そう。


室井:
「現在から先で」っていう。


海沼:
そうそう。だからみんなも未来的な視点に立って、室井の音楽を聞いてみるというのも面白いんじゃないかなって思う。「今の室井くんてこういうことなんだ」っていうことよりかは、次の室井くんの曲のテーマはこんなノリだろうなっていうところまでを含んで聞いてほしい。


室井:
含んだ上での今。


海沼:
っていうのができたらめっちゃ面白いと思う。それはもう音楽とか芸術とかでの新しい聴き方、新しい受け取り方っていうのができるんじゃないかな。それは面白いって思うね。だから頑張っておくれ。


室井:
頑張ります。


海沼:
頑張ってくれ、俺も頑張るから。俺はオフビートで。


室井:
海沼さんオフビートって言ってるけど、たまにオンになるからね。


海沼:
ハハハハハハハハハ


室井:
海沼さんは秘めたるオンビートだから。


海沼:
俺はオフビートな水準が高い。みんなのオンビートくらいでオフビートって言っちゃってる。


マネージャー安藤:
海沼さんにとっての「オフビート」って何ですか?


海沼:
うーん。ずっと低温、情熱的にならない。俺はみんなの情熱がオフビートだからね。


室井:
何?どの視座で言ってんの?


海沼:
神だから。


室井:
「俺、神だから。」じゃねえんだよ。


海沼:
俺、神なのよ。「神との対談」って書いといて。


室井:
腹立つ〜。


一同:
ハハハハハハハハハハハハ


マネージャー安藤:
海沼蒼太(神:かみ)で


海沼:
いや、(神:しん)で。

海沼:
やっぱり室井にも頑張ってほしいね。


室井:
いや、頑張っていきます。


海沼:
室井にも頑張って欲しいし、「室井の曲を聴いてる子たち」にも頑張って欲しい。っていうのはツイートするっていうことじゃなくて、宣伝するとかじゃなくて、そういうことじゃなくて。室井の曲を聴いてる人ってさ、室井に感情移入できるところがあるから聞いてるわけだけど、必ずしも「室井が歌ってることが最適解」っていうわけではないわけじゃん、その子たちにとって。でもそれを室井を尊敬する”ファン”の人達は、もしかしたら鵜呑みにしちゃう危険性があるから。


室井:
そうなんだよね。


海沼:
音楽とかってやっぱりさ、進んじゃうと「その人が言ってることが正しい」とかこれが正解っていう風に思っちゃうけど、やっぱりそこは「一人の人間」だから。俺でもこいちゃん(小出祐介…BASE BALL BEAR/ボーカル)と『カメラを止めるな』の意見を一致するわけで。こいちゃんのことは尊敬してるけど、一致してないって言う。そういうのがむしろ俺の中ではアイデンティティだと思ってて。

一人一人の苦しみとか、幸せとかは別にあって。みんなが、みんなが同じよう感情で生きてるわけじゃないじゃん。怒る人もいれば怒らない人もいるし、それを喜ぶ人もいればそうじゃない人もいるかもしれないしっていう、実は一人一人が室井の曲を聴いてるんだけど、捉え方が全然違うっていうのが正解で。ただ一つ、聴いた上で何か還ってくるものがあったら「自分は室井のこの曲を聴いてこういう落としどころを見つけて、こういう感想を持ったからこういう生き方をする」っていう意思決定を頑張って欲しい。

それが一人一人のファンにあると、室井がその人たちと向き合って曲を作るときに、また別な還元のされ方として室井に還ってくるんじゃないかなっていう。


室井:
だから僕も、聴いてくれる人にはあくまで「答え」じゃなくて「ヒント」として聴いて欲しいんですよね。全部の曲が問題用紙だけど、その回答欄には各々の回答があっていいんだよね。そこは僕が埋めないからみんなでそれぞれの答えを埋めてっていう。


海沼:
そういうことなんだよね。


室井:
そうなんですよ。


海沼:
それがすげー大事だと思う。で、そういった人にあくまで道を作るんじゃなくて、室井が標識がなるくらいで、僕はこっちに行きましたけど、っていうくらいで。でも左でもいいし右行ったっていいし、真ん中行ったっていいし。っていうくらいのモチベーションの聴き方で、向き合い方をして自分に落とし込んでこういう人生を選びました、こういう選択肢を選びましたってことがあれば、いつかそれはきっと室井に曲のヒントとして、今度はその人達が、室井が曲を作る道標になるかもしれないよ、っていうことだと思うんだよね。そういうところを頑張って欲しい。


室井:
音楽を作ってる人とかアーティストって自惚れじゃないですか。そんな人が多いんですけど、僕はやりきれないんですよね、あんまり。だからなるべく低体温なような感じで。曲に対してはオフビートで、もう少しミクロになりすぎないでというか、マクロな気持ちで。


海沼:
それが本当に『ヒロインは君で』っていうことでしょ。


室井:
だからね、そうなんだよ。


海沼:
やっぱりどうしてもね、「表舞台立ってる人がすべて」っていう感覚があるけど、世の中ってみんなが歯車になってるからね。みんなが歯車になってて、どんどんぐるぐる回ってて、みんなが同じところで立ち止まってたら何も動きがないわけじゃん。それを、みんなが各々頑張って生きるから、どうにかこうにかぐるぐる回って。これは俺のSFチックな推論だけど、人が歩くから地球が回るんじゃないか、人が歩くから朝が来て夜が来るんじゃないか、っていう。

人が歩いてる力で地球がぐるぐる回ってるんじゃないか、ってくらいの気持ちで、自分たちは日の目の当たらない生活だけど、自分の人生を生きてる時点で主人公は自分で、で室井は『ヒロインは君で』って言ってるんだから、そこで歩みを止めないで自分たちが些細ながら小さく動くことでいろんな歯車が回りだして世の中がぐるぐる回り出して、最後に室井と室井の曲としてフィードバックされるっていうことがあるんじゃないかなと思うんだよね。


室井:
それこそ、二・三日前に北海道で地震があって、遠い北海道の地では生活に困難を強いられている人がたくさんいるのに、俺はこんな豊かな生活をしてて。でもだからといって僕らが今ここで歩みを止めたらきっとそれだけになっちゃうし、だから僕らは僕らで生活をちゃんと全うしなきゃそっちもきっと良くならないし、苦しい人達も苦しいままだから。


海沼:
だからまあ、与えられた役割をみんなが分かってれば劇が成り立つじゃん。悪い人が急に善いことすることはないじゃん、それは破綻してるわけだからだから。みんながその都度自分が幸せだなとか辛いと思うことはそういう役割として自分が今担ってるもので。じゃあそれを全うすれば何かがあるんじゃないか、っていうことを思いながら生きた方が幸せだと思うし、それが表舞台に立つ主役だとか脚光を浴びる人たちにも伝わるし、モチベーションになっているし、創作のヒントとして還っていくし、そういうことだと思うんだけどね。


室井:
みんなが善いやつな劇は成り立たないからね。


海沼:
だからこそ室井には、その中でも「光が当たってる人」っていう役割を全うして欲しい。そういう曲を書いて欲しい。


室井:
「光に溺れないで陰まで汲み取れる光の人」になりたいですね。


海沼:
ていうのが俺がこれから室井に歩んでほしい書いてほしい曲かな。


室井:
本当にね。


海沼:
これは愚痴になるけど… いいんだよ、間違った意見とかめっちゃあって。Twitterみたいにマジレスしなくていいんだよ。自分が間違ってるとか自分の正義に反することを正そうとしなくていいんだよ。絶対世の中には必要善と必要悪が存在するから。それでスムーズ回ってんだから。犯罪起こすやつは犯罪起こしちゃうし、っていうね。だからといってそれに見向きをしないということではなくて、それを受けて自分には何ができるか、自分だったらどういうフィードバックをできるか、どういうことを脳味噌で考えられるか、みんなが頑張って思考すれば良いようになると思うんだけどね。


室井:
いいな、メモっとこ。


マネージャー安藤:
本当になんかもったいないですね、一記事にするのは。


海沼:
ハハハハハハハハハ。凄い長々喋っちゃったけどね、地獄だと思うよ。


マネージャー安藤:
みんな今本当に目に涙を浮かべてると思いますよ。


海沼:
でも室井と関わって室井の曲を聴いて、俺も色々考えさせられてるって事だからね。


室井:
そうですね。


海沼:
室井の曲も、俺のこういう思考の一成分になってるっていう。で、俺がここでこういうことを思って、「こういうことだと思う」って直接室井に当てられる役割だからね。俺が今それを返したことで何か室井が曲として何かヒントを得たら、いいじゃん。構図として循環してるわけだから。


(マネージャー安藤:もう、今のやつを全部歌詞にします。)


一同:
ハハハハハハハハハハハハ


室井:
アンチコメント全部ラップに乗せちゃったアーティストみたいな。


海沼:
そんな事はしなくていいよ。


室井:
斉藤和義の『月光』みたいな歌詞書いてみたいんですよね。


海沼:書いて欲しい。


マネージャー安藤:
こんなに思う人いないですよ。こういう人がいっぱいないとダメなんだよな。


海沼:
だってさ、自分生きてるから幸せになりたいじゃん。でも幸せになりたいと考えた時に自分の「その幸せの最適解」がこれなんだよね。


マネージャー安藤:
はあ〜。


室井:
お前笑


海沼:
室井が歌ってることも一つの意見として捉えて、他の本だの映画だので見聞きしたこともまた一つの意見として、それらを自分でどう飲み込んでどう解釈したかで自分の思想とか思考として繋げていけるかっていうことは、めちゃめちゃ大事だと思うんだよね。


マネージャー安藤:
そうなんですよね。やっぱり多いんだよな、トップチャートをYouTubeで聴いただけで満足してる人。 「本当にそれだけでいいんだ」っていう。それはそれでいいんですけど、お金をかけて買ったり聴いたりする、お金をかけただけ吸収する、本来ならそこまでいかなきゃいけないんだなっていうというか。


室井:
まあ中身だけじゃだめなんだよね。ちゃんとその中身入れてる箱も良質なものじゃないとダメだから。だからトップチャートで内容が薄い中身のない曲が出ててもそれは外箱がめっちゃ綺麗だったらそれは評価されるべきなんですよ。それはそれであっていいと思うんだけど。


海沼:
それがなんでこんな軽薄になってるかというと、みんなお金を払わないからなんだよね。


マネージャー安藤:
そう、それを言いたかったんですよ。


海沼:
でしょ。対価だからね。


マネージャー安藤:
そうなんですよ。


海沼:
お金を削る・お金を払うってことは、少なくとも自分の身を削るっていうことと一緒だから、やっぱり身を削った分何かを得たくなるし吸収したくなるじゃん。それが多分今ってコンテンツとして無料でいくらでも観たりとか、聴いたりとかできるものってあるじゃん。

だから還元されないというか軽くなっちゃうというか、表面上だけで見た・聴いたということにしかならない。だから本当は無料なものでも、俺から言わせてみたらいくらでも感じることはあるし生きてたら、日常暮してたらバカみたいに得るものとか刺激とかすごいあるじゃん。でも生きることにも金はかかってるわけで。


マネージャー安藤:
だから常に払ってるって事なんですよね。


海沼:
そうお金だのカロリーだの、失ってるものはあるじゃん。それを別個にして考えてしまわぬようにお金を払うべきだし、自分の身を削るべきだし、リスクを取るべきだしっていうのはあると思う。


マネージャー安藤:
本当にそう思いますよ


海沼:
なんで人間が働くかっていったらお金が必要だから、お金が何で必要かっていったら自分が好きなものに投資して身を削るから、好きなものに対して身を削るってことでしょ。だから五日間働いて土日は遊べる。だからお金が貰えるしバイタリティを削られたから、お金が入ってくるわけだし、好きなことに向き合うために土日の二日間の時間を「削る」。

そういう循環があるから、働くことも必要だと思うんだよ。それが何もしなくてもお金が入ってくるんだったらいいんだけど、それはそれで幸せなことなんだけど、物事に対する向き合い方も変わってくるよね。もっと希薄化されるかもしれないし。


室井:
本当ですね。より曲作るの頑張んなきゃ。


海沼:
より曲作るの頑張んなきゃだね。


室井:
終わり方どうしますか?


マネージャー安藤:
じゃあ最後に一言。


海沼:
じゃあ「◯◯◯(ド下ネタ)」でお願いします。


一同:
ハハハハハハハハハハハハ!

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海沼蒼太(喉仏第一部隊)

3人組動画投稿グループ「喉仏第一部隊」の一員として、2011年よりYouTubeに動画投稿を開始。これまでにトークやコント、一発ギャグなど様々なジャンルの動画を総計1080本以上投稿している。2014年に岩手県から上京し、大学生を経て現在は会社員。
室井雅也の単独トーク&ライブイベント「ノンフィクション・ゼミナール」のレギュラー司会や、6面ステーション主催イベント「6ステカーニバル」のMCを務めるなど、司会業も行う。